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技術資料 スクリーン印刷の技術についてまとめてあります。

スクリーン印刷の応用実践技術

スクリーン印刷技術の応用で、目的に合った塗布が行えます。
(印刷テストでの結果報告です)
1.塗布する(塗る)=均等にムラ無く塗布する技術
お客様からの要求は、
ペースト(薬液)粘度20pa's、フィルム厚み180μ、300mm×300mm角に15μと40μ、2種類の厚みでそれぞれの厚み誤差、5%以内で塗布を行いたいとのご要望でした。
A.塗布目標設定 15μ塗布の場合
スクリーン印刷機TU2030機Cute機、、どちらの機種も同じ結果です。
版枠サイズ400×600を使用して行いました。(動画でご確認頂けます
版:ステンレス紗#350 乾燥条件:UV(紫外線)乾燥 500mj or 加熱乾燥炉 100℃×20分
(UV樹脂ペースト、加熱乾燥型ペーストどちらも使用可能です)

機械設定条件
スキージ
角度
スキージ
ゴム硬度
スキージ
押込み量
スキージ
スピード
スキージ
印圧
スクレーパー
スピード
スクレーパー
印圧
スキージ
垂直フロート
クリアランス
75度 80度 1mm 4設定値 0.25MPa 4設定値 0.25MPa 0.1MPa 2mm
(シリンダー径・エアー圧力・スキージ巾でスキージに掛かる実印圧を算出できます)
*平形スキージ、巾340mm
印刷後すぐにUV照射を行い乾燥硬化致しました。乾燥後の計測は、12点計測で14μ〜16μでした。
ご要望の厚み誤差範囲に収まりました。


B.塗布目標設定 40μ塗布の場合:スキージ垂直フロートを使用しています。(当社独自)
スクリーン印刷機TU2030機Xタイプ機、どちらの機種も同じ結果です。
版枠サイズ400×600を使用して行いました。(動画でご確認頂けます)  
版:ポリエステル紗#100M  乾燥条件:UV(紫外線)乾燥 500mj or 加熱乾燥炉 150℃×30分
(UV樹脂ペースト、加熱乾燥ペーストどちらも使用可能です)

機械設定条件
スキージ
角度
スキージ
ゴム硬度
スキージ
押込み量
スキージ
スピード
スキージ
印圧
スクレーパー
スピード
スクレーパー
印圧
スキージ
垂直フロート
クリアランス
80度 70度 1mm 4設定値 0.25MPa 4設定値 0.25MPa 0.1MPa 2mm
*平形スキージ、巾340mm
印刷後すぐにUV照射を行い乾燥硬化致しました。乾燥後の計測は、12点計測で39μ~42μでした。
ご要望の厚み誤差範囲に収まりました。


[テスト結果の解説]
事前にペーストのウエットの状態から乾燥した場合、どの程度収縮するのかを聞いており、その分厚めの版設定で臨みました。15μ設定値より40μ設定値の印刷の方が,厚み誤差が大きいのは、塗布厚を厚くするには、スクリーン紗の糸径が太くなり、スクリーン紗も低メッシュでオープニングエリアが広く、紗自体高低のギャップが大きく、ムラが生じ易くなります。印刷後少し時間を置いて乾燥すれば表面張力でムラが少なくなります。(ペーストの流動性・固形分の量・印刷後のレベリング性の優劣により決定されます) また、今回のペーストは、スクリーン印刷に適したレオロジー(粘性特性+弾性特性)を保持していましたが、いろいろテストを行っている中には、

1.印刷後すぐには満遍なく艶も出て良いのですが,時間が経つにつれてクレーターのような凹凸ができるレベリングの悪いペースト。

2.厚みが保持できないペースト。

3.塗布・乾燥を繰り返し、2層、3層と重ね刷りするとペースト同士が接着し、ワークには接着しないペースト。

4.印刷工程中にペーストが版上で左右に移動を行う為に、泡が発生して気泡が邪魔をし、目的を果たせなくなるペースト等などがあります。

1度のテストでは目的が達成されず、繰り返し何度かテストを行う中で,その都度、ペースト・版の手直しを行い、目的達成させるのが一般的です。
フィルムベース図解フィルムベース
仕切り
2.凹み部、凹形状、L形状の底辺への塗布(当社独自のスキージ垂直フロート方式)
スキージ垂直フロート方式図解 A.100mm角の樹脂に2段階の凹面が存在するワークへ、ムラ無くベタ印刷する。

透明樹脂にハーフトーンのベタ印刷を行う、照明で透かして見てムラ無く印刷できます。

解説
スキージゴムが90度の角度で凹み部に添って移動します。
スキージ垂直フロートの真骨頂を発揮してくれて、容易に印刷することができました。

機械設定条件 印刷機TU2030-C
スキージ
角度
スキージ
ゴム硬度
スキージ
押込み量
スキージ
スピード
スキージ
印圧
スクレーパー
スピード
スクレーパー
印圧
スキージ
垂直フロート
クリアランス
75度 60度 or 70度 1mm 3設定値 0.28Mpa 4設定値 0.18Mpa 0.1MPa 0.3
※製版仕様は、秘密保持のため非公開とさせて頂きます。


3次曲面への印刷図解 B.120mmφの3次曲面への印刷

解説
透明樹脂に青色ヌキベタ印刷(指定した部分に青色ベタを印刷、その部分以外には、印刷しない)
強いテンションの製版は使用できず、おのずと緩めのテンションでの製版仕上げ、3次曲面にスキージングすると版にズレが生じ、ベタを印刷する部分の際(きわ)が印刷されず製版の調整に苦心致しました。

機械設定条件 印刷機TU2030-C
スキージ
角度
スキージ
ゴム硬度
スキージ
押込み量
スキージ
スピード
スキージ
印圧
スクレーパー
スピード
スクレーパー
印圧
スキージ
垂直フロート
クリアランス
75度 70度 1mm 4設定値 0.286Mpa 4設定値 0.245Mpa 0.1MPa 0
※スキージゴム若干湾曲取り付け
仕切り
3.埋める(流し込む) 凹んだ箇所、溝に充填する技術 スキージ垂直フロート使用しています。(当社独自)
お客様からの要求は、
縦60mm×横40mm×高さ8mmの楕円形、全周囲外周から1.3mm内側に0.4mm巾の溝がります。また、その0.4mmの溝の左右の高さが違い,段差0.5mmあります。
粘度70pa's / 50pa's / 20pa's 3種類の粘度の違う接着剤を溝に均等に100μ厚で充填し、加熱乾燥する。
「今は数も少ないのでディスペンサーで注入していますが、量産するのにどの方法が良いか模索しており,量産化技術の印刷法では」と思い、相談しましたとのお話でした。
A.塗布設定100μ、ボンドで溝を埋めるのが目的ですから、少なめはダメで多少多く塗布する方が良い結果を生むのではとの考えと、ボンドを加熱乾燥して20%程収縮すると聞いておりましたので、200μのメタルマスク版でテストに臨みました。
スクリーン印刷機は、TU2030を使用致しました。(動画でご覧頂けます
版:メタルマスク版 板厚200μ ワークの突起物が収納できるガレージ付き
ボンド:20pa's 乾燥条件:熱風乾燥80度 20分

機械設定条件
スキージ
角度
スキージ
ゴム硬度
スキージ
押込み量
スキージ
スピード
スキージ
印圧
スクレーパー
スピード
スクレーパー
印圧
スキージ
垂直フロート
クリアランス
80度 70度 1mm 3設定値 0.25MPa 2.5設定値 0.25MPa 0.1MPa 0設定
*特殊剣形スキージ 12mm巾
印刷後すぐの状態を確認頂きましたら、ディスペンサー注入時より、かなりキレイに塗布できているとのお話で安心致しました。


[テスト結果の解説]
溝巾プラス左側0.3mm×右側0.3mm 開口幅、板厚200μ、ブリッジ付き(板厚が薄いのと楕円の為、溝に一箇所0.2幅の橋を渡し版の補強を施す)
ボンドを塗布するとブリッジ通りの隙間ができましたが、ボンドを加熱する段階でボンドが流動し隙間を埋めてくれました。2度目のテストでは、板厚100μと150μに変更して、ブリッジを外し、仕上げの見栄えを良くする為に、線幅も細くして塗布を行いました。専用治具の精度と位置合わせの時間短縮を計れるように工夫し細工を施し、最後にはボンドの粘度保持が仕上りにかなり影響与える為に、保冷庫を準備頂きボンドの温度管理をお願いし安定したペースト塗布ができるようになりました。
テスト図解
仕切り
4.盛り上げる(盛る)厚み100μ以上塗布する場合の盛る技術
お客様からの要求は、
985mm×1150mm×6tの金属母板に1円玉大のドットを板面全面にできるだけ多く、塗布印刷したいと言うことでした。その金属母板は、平滑性が無く、反り・うねり・捻じれがあり、均等な塗布を行うには困難な製品でしたが、塗布厚み100μ以上であれば良く、ドットごとの膜厚誤差は容認されましたのでテストに望みました。
A.ペースト100μ以上塗布する
スクリーン印刷機は、テーブルスライドタイプST-1015
特注スキージ機構及びロングストローク仕様
印刷面積:1000x1500 スクリーン紗:ポリエステル紗 #60
ペースト粘度:70pa's スクリーン印刷に適するように調整済み
乾燥条件:150℃ 40分

機械設定条件
スキージ
角度
スキージ
ゴム硬度
スキージ
押込み量
スキージ
スピード
スキージ
印圧
スクレーパー
スピード
スクレーパー
印圧
スキージ
垂直フロート
クリアランス
75度 60度 5mm 5設定値 0.35MPa 5設定値 0.3MPa 0.15MPa 3.5mm
*平スキージ、スキージ巾1040mm
*スキージ印圧は、機種によりシリンダー径が異なりますので、供給エア圧が同じであっても加圧力は変わります。

テスト図解


印刷後 遠赤外線ヒーターで150℃×40分間加熱
各ドットを計測110μ~135μですべて100μ厚以上でした。
[テスト結果の解説]
お客様側でテストピースを使い印刷テストを繰り返し行われて、スクリーン印刷に適合するペースト(薬液)のレオロジー(粘性特性+弾性特性)があり、容易に印刷テストを行う事ができました。ただ母板1枚ごとに反り・うねり・捻じれが違うのと、版を破らないかと気が気ではありませんでしたが、なんとか持ち込まれた5枚を連続印刷できました。5枚とも計測データは、上記に記載致しましたように、110μ~135μ前後に収まり、100μ以下はありませんでした。このような平滑性の無い製品に印刷する場合、スキージ部の特殊機構とロングストロークが有効に作用したと思われます。
実際には、版は1度、ペーストは2度変更し、3度目のテストでこのような結果を得ました。
盛り上げるには、弾性があり、殆んど流動しないようなペーストを用いて、メタルマスク版(ステンレス板をくり貫いた版)で印刷するのが通常行われる印刷方法ですが、ワークサイズが大きいのとワークに平滑性が無い為にポリエステル製のスクリーン紗で印刷を行いました。
メタルマスク版では、板厚も豊富にあり100μ以上~1000μ、1mm~2mm程度は、簡単に盛り上げる事ができます。
仕切り
5.印刷前に加工処理を施してから印刷する。加熱・加温して塗布する
A.容器ごと加温する。
容器ごと70度に加温し、薬液が通るホース・出口全て70度の温度に保持する。
エア圧力の押し圧により設定した印刷回数ごとに薬液をメタル版上へ押し出すインキ供給装置付き。

印刷機写真 B.高温処理で印刷する。
樹脂を加熱し160℃まで上げて液体化させ、流動してから印刷する。

メタルマスク版
ヒーター温度管理装置付き、
スキージヒーター付きSUSスキージ
版周辺の保温装置、高温処理加熱自動供給装置、
上記のオプション装置を設置し塗布が可能になりました。
図解
仕切り
6.スクリーン印刷で量産効果を高めるには、一度の印刷(ワンショット)での個数を多くして
 量産化をはかる。
メタルマスク版でのはんだペースト印刷図解 1.メタルマスク版でのはんだペースト印刷
リング形状のワークにペースト厚100μ~250μ塗布
丁付け個数:60個付け(1度に60個印刷可能)

使用機械
TU2030-BZ(版離れ微調整装置、標準装備)
機械設定

1.印刷後3段階で版離れを行う(数十μの版離れを3度行う、各段階毎に数秒の停止時間を設ける)ペ-ストの特性、メタル版の厚み、目標塗布厚により、1段階毎にペースト特性に合った停止待ち時間を入力し、版離れの微調整設定で印刷を行いました。

2.メタルマスク版で金属に印刷するのですから、Wスキージの設定は、エア圧力ゲージを標準の0.28MPaに合わせ適当な押し込み量(スキージ押し込みノブの回転が、版とワークに当たり重たくなってから1mm押し込みました)で印刷を行いました。1個印刷するのと違い、ワーク60個の微妙なバラツキもあり、多少クリアランスを空けて印刷致しました。

2.ポリエステル版、ステンレスメッシュ版での電子部品の印刷
3mm角、厚み0.3mmの電子部品に銀ペーストを中心1.5mm、コーナ4角を空けて40μ厚を塗布する。
丁付け個数:150個(1度に150個印刷)

印刷状況図解使用機械
TU2030(ダブルスキージ・クリアランスデジタル表示仕様機)

機械設定
使用スキージ・設定未公開(お客様との秘密保持契約による)

印刷状況
塗布してはいけない中心部分がV字形状に凹み、スキージがスムーズに走行してくれず何度が設定変更を行い、ブレイクスルーする事ができました。
ウエットの状態で40μ塗布厚、乾燥・焼成後20μ塗布厚の目標達成ができました。
仕切り
7.スラント形状スキージの応用

1. ベタ印刷で目標厚みを確保できない場合、スラント形状のスキージを使用する事により、平形スキージに比較して20%〜以上厚く塗布する事ができます。

(機械設定角度 70度の場合、52度での設定角度になります)


スラントスキージ
スラントスキージ


2. R/S(ライン&スペース)が狭く、しかも、ペーストを厚く塗布したい場合や、充填(噴出量)不足による、不具合の場合、平形スキージからスラント形状スキージに変更する事で改善されます。

仕切り
8.凹面印刷・凸面印刷

印刷物形状見本
印刷物形状見本


凹面・凸面印刷は、弊社独自のスキージ駆動により凹面部のどの位置も同じ塗布厚みで印刷できます。
応用用途は、自動車・家電・看板等の曲線を用いたデザイン部分の印刷に使用できます。


対応機種:TU-C3535-2R/TU-C3535-4R(スキージ扇形動作装着機)


印刷見本印刷見本

印刷見本印刷見本
仕切り
総論
[ペーストの粘度]
粘度計で計測した粘度が同じあっても、必ず同じ結果を生むとは限りません。
実際に印刷致しますと粘度以外の要素、固形分の配分量・流動性・印刷後のレべリング性・乾燥の早いペースト・糸を引く切れの悪いペースト等、スクリーン印刷には、適さない要素を含んだペーストがあります。そのような場合は、設計変更をお願いし、再度テストを行っております。

[スクリーン版]
印刷目的に一番影響を与える要素である版は、選定を誤ると目的を達成するのは不可能になります。薄い塗膜と厚い塗膜とでは、紗の選定が違います。凹んだ面に入れる場合、盛り上げる場合、少し盛り上げるのか、厚く盛り上げるのかによっても 製版の選定が必要です。薄く塗布したい場合に厚く塗布する版では、薄く塗布することは出来ません。また逆も然りです。間違った選定をした版でいくら良いペースト、印刷機を準備し印刷しましても目的は果たせません。また、たまたま近い物が仕上がっても何度も同じ印刷が可能かといえばまず無理でしょう。継続的な再現性とデータ管理ができないからです。

[印刷機]
目的に合ったペーストとスクリーン版があり、印刷機にセットし印刷を開始しても思っていたようには、うまく行かない場合があります。それは、印刷機のセッティングの問題です。スキージの種類、スキージ印圧、スキージ押込み量、スキージ角度、スキージスピード、ペーストの被せが必要な印刷では、スクレーパー(インキ被せ)印圧、スクレーパー押込み量、スクレーパースピードが印刷に影響を与えます。また、もう一つの大事なパラメーターとして、クリアランスの影響があります。製版とワーク(印刷物の隙間)一般的には、紗を利用した製版の場合クリアランスをとります、版と印刷目的に合った最適なクリアランス量をとる事により良質な印刷が可能です。(ハンダ印刷のようなメタルマスク版を利用する場合は、クリアランスはとらずに印刷します)印刷機に要求される要素として、各パラメーターの要求箇所が精度よく確実な動きとセッティングが容易 であり、しかも管理がやりやすい印刷機が良い印刷機の条件です。間違っても不適切なペーストと版で印刷機だけで何とかしょうとは思わないで下さい。


印刷を行う要素
印刷を行う要素図解

仕切り